山神いうと、あのね私らこどものとき
藁を束ねて、縄で棒にしてね、そして山神を参って
縄でね、これぐらいのあれやわ
こうしてばーっと、道路を打つんですよ
道路を打ちながら、歌をうとったったかな
こどもの遊びの一種ですけども
あれはたしか、山神と関係があったかな
今は山神は神社の横にあって、神社を参ると必ず山神を参って
山神ちゅうのは田んぼの実りを良くすることと
そいから、家内、奥さんですね
奥さんが、女の人が天から下りてきて
その土地で家族を作って
田畑を耕しながら、代々繋いでいくと
そういうことで、お参りしとんのが山神ですわ、元来は
昔はそやってして、山神をお参りしながら
藁でね、こうゆう棒を作って、叩いて
村の道をずーっと、たいがい他所の家の門口で叩くんやな
そうして、村を一巡して、子供の遊びみたいなもんやけども
山神を祀る、祈る、ひとつの子供の行事なんやな
そうゆうことは私ら子供の時はよくやりましたね
あれはなんて歌をうととったかな、どういう歌やったかな
要するに家族をな、大事にして村が栄えますようにと
祈りの言葉を唱えながらね、地面を束ねた縄で叩きながら
他所の家を、特に新しいお嫁さんをもろた家を
家の前で叩いて喜ぶちゅうのかな
昔から山神は田んぼの神さんであり
そして女の人をね、祀る神さんなんですよ
要するに家が栄え、村が栄えますようにという言葉やわな
―繫栄も?
もともとは田んぼの実りをよくする神さんを祀る、山神ですからね
それと同時に、山から女の人が下りてきて
家内を作りながら、代々子供を生んで
そして、その子供が大人になったら田んぼを作って
村がそうやってして代々続いていくようにということが
農家としては大事やったんやわな
後継ぎがなくて田んぼをよう作らんなったら
その家はしまいなんですわ
今は会社行ったりね、いくらでも他所で働く場所がありますから
関係ないですけども
昔は田舎ちゅうのは、みな田んぼを作って
代々それを繋いでいくというのが
生きる道であり、大事なことやったんやわな
それが出来やんだら、そこの家はつぶれ
その田んぼも他所の人に渡りというもんやもんで
昔は家が代々続いてゆくことを非常に大事にした
校長先生をしていた九十五歳の男性(鈴鹿市柳町)